36歳で会社をやめたのは、とてもシンプルな理由だったことを改めて思い出した

2020.08.13 Thursday 22:19
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    26歳で転職した会社を、10年目の36歳の時に辞めた。

    31歳で結婚して、34歳で出産し、1年の育児休業を取得してから復帰して、1年目に辞めたことになる。

    本来なら復帰後はもうちょっと長く続けなくちゃアカンのではないかと思う。

    申し訳なかった、と思う。
     

     

    ほんでも、私が息子を生んだ1994年ごろの日本の企業の中では、頑張ったほうだと思う。

    妊娠しましたと報告した時、多くの人が「おめでとう」の言葉と一緒に、

    「ああ、これで退職ですね、残念ですが」と言った。

    妊娠した女性が仕事を続けるという発想を持たない人がまだまだ多い時代だった。
     

     

    それでも、それ以前よりはまだいいほうだったと思う。

    1991年に育児休業法が制定されたことで、妊娠しても休んで復帰してよいことになり

    少なくとも働く妊婦は、法律上守られることになったのだ。

    (休業中は無給だったけどね)。

    それ以前は、結婚を報告した時点で、「おめでとうございます、寿退社ですね」が通例で

    退社する側も、鼻高々の勝ち組状態で辞めていった。

    25歳を過ぎたら、売れ残りのクリスマスケーキ。

    アホくさいけど、周囲からの扱いはそんなもんで、だから私も最終ギリギリの大晦日31歳で結婚したんだった。

     

    32歳の時、結婚後1年しても妊娠しないのは不妊だから病院に行けなどと親戚から言われ

    まあ、なんとか自然に妊娠したけど、周囲からは「高齢出産心配」「マルコウ、マルコウ」とさんざん言われた。

    34歳だと母子手帳に「高」って字に○つけた丸高(マルコウ)マークのスタンプ押されるって
     

    なんかなー。今じゃ信じられないね。



     

     

    まあ、そんな時代だったので、自分のいた部署の育児休業取得第一号の前例を作って頑張って

    復帰して時間短縮取って両立頑張って

    それで1年やってやめちゃったわけなので

    「やっぱり大変だったんですねえ」って言われれたりもしたけど
     

     

    でも、ほんとはもっとずっと、シンプルな理由だったなあ、ってことを今日

    なんだか久しぶりに思い出していた。なので、つらつらこんなふうに書いてみている。

     

     

     

    赤ちゃんのころ、息子は本当に手のかからない子だった。

    育児時間短縮勤務で4時に退社して、保育園に迎えに行き夕食を食べさせたら

    8時すぎにはコテッと寝てしまい、夜泣きもしなかった。

    夫はマスコミ勤務でほとんど家にいなかったから、私はポカンとひとりで、長い夜を過ごしながら
     

    なんか変だなー

    この時間、私なんでもできるのになー
     

     

    って思ってた。

     

    というのも、出産前に私がやっていたのはイベントのディレクターで

    イベントの実施日と、設営や撤収はほとんど週末や休日と夜の時間だったのだけれど

    育児休業を取得して時間短縮勤務になった私は、労働組合に守られる形で休日出勤と残業ができなくなった。

    まあ、つまり実質上、元の場所には戻ったけれど

    イベント責任者という立場は、すでに後輩の子に引き継がれていて、仕事はなかった。
     

     

    「子供がいるから残業も休日出勤もできない」

     

    という人に私はなったわけなんだけど
     

    おかしいなあ

    一度家に帰って子どもを寝かしつけさえすれば

    ここから先3時間でも4時間でも、私、家で仕事できるんだけどなあって。
     

    そんな風に思ってた。

     

    ただ、会社という「場所」にいられることだけが価値って、なんか変なのって。
     

     

    それで、なんとなく不完全燃焼になった私が何を考えたかというと

    「二人目を作っちゃおうかな」ってことだった。
     

     

    なんたって子どもはかわいいし、出産ハイみたいなもんになってたこともあって

    イエーイ、このまま勢いで2人!!! って十分アリじゃん? と。
     

     

    それでね
     

    そんなシミュレーションをしながら、気づいちゃったんだ。

    私、この1年以上、「スミマセン」ばかりを言って過ごしているってことに。

     

     

    スミマセン、妊娠したので休業します

    スミマセン、つわりで辛いので休憩していいですか

    スミマセン、育児時短なので4時で帰ります

    スミマセン、休日は出られません、残業できません、飲み会出られません

    スミマセン、子供が熱だしたらしいので帰ります

    スミマセン、スミマセン、スミマセン

     

     

    ああ、私このまま二人目も生んで会社復帰したら

    この先何年も、こうしてスミマセン、スミマセンって言って過ごすことになるんかなああ。

    仕事はずっと続けたいと思っていたから、居心地のいい今の会社にずっといてもいいんじゃないかって考えることも多かったけれど、こうしてスミマセンって言いながら続けていった先にいる自分は、果たして笑っているのかな。
     

     

    当時、まだ社内に女性の管理職はほとんどおらず、子育てしながら仕事をするロールモデルもいなかったから

    私は自分の未来を、妄想してみるしかなかった。

    二人の子供が小学校を出る頃、50歳の私は

    果たして、笑顔でいるんだろうか。
     

     

     

    私が会社をやめた理由は、ただただ、シンプルにそのことだったように思う。

     

     

    50歳になった時、笑っていたいな
     

     

     

    ほんで、やめちゃった。


     

     

    仕事へのポテンシャルもあるし、家にいられさえすればいくらでも仕事はできると思って

    フリーランスになった。「仕事」の中身なんて考えずに、独立した。考えたらちょっと無謀だった。

    で、今ここにいる。

    結局二人目の子どもはできなかったし、離婚もしてシングルマザーにもなった。
     

     

     

    それでも

    50歳になったとき、ほんとに笑ってた。

    大変なこと、しんどいこともいっぱいあったけど、でも

    にこにこ、にこにこ、笑ってる自分がいた。

    50歳の誕生日、お友達たちが開いてくれたパーティで。ほんとに笑ってる、ニコニコというよりガハガハと笑っている。
    みなさん本当にありがとう。


    あのまま会社にいても、もしかしたら笑っていたのかもしれない。

    でも、とりあえずあの時、そんな風に思ってやめたのは、間違いじゃなかったのかなーって今は思う。
     

     

     

    物事を決断するきっかけは

    もしかしたらそんな風に、とてもシンプルな場所にあるのかもしれない。

     

     

    笑っていられる?

    楽しい?

    気持ちいい?

    おもしろい?

     

    そして何よりも

     

    やりたい?

     

     

     

     

    将来有利だからやっておいたほうがいい

    とか

    ○歳までにやらなくちゃ

    みたいに思うより
     

     

     

    笑っていたいからやってみる

    とか

    おもしろいからとにかくやりたい

    って
     

     

     

    そんな場所から始められることのほうが、うまくいくのかもしんない。
     

     

     

    あー、なんか昔話をする大人になってはいけないとよく思っているのに

    今日はそんな昔話だったよ、すまん。

     

     

    60歳になった今も、ほぼ毎日ほくほくと笑っている。

    順風満帆ではないけれど、少なくともスミマセン、スミマセンとは言い続ける人生にはならなかった。
     

     

    あの時笑顔でいたいと思った、

    36歳の自分に、ありがとうと思う今日でした。

     

     

     

     

     

     

     

     

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