離婚して一人で子育てをして、しんどくなったことについて。自由に生きることには大きな責任が伴うってことについても。

2019.07.02 Tuesday 13:09
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    前のブログで「離婚したら家事がすごく楽になった」と書いた

     

    さて、その時に「タイヘンになったこともある」と書いたので、今日はその話。

     

    離婚して子育てをしていくには、経済的な重圧とか、仕事と家事と育児をひとりで切り盛りせにゃならんってこととか、いまだに残る世間の偏見に加え、子どもにちゃんとした家庭を用意できなかった自分への罪悪感みたいなものもあって、まあ、タイヘンなのではある。

     

    でもね、こういうことすべて、なんというか想定内というか

    私の場合はそんなことは重々承知の上で、それでも離婚しないと! ここから逃げないと、と自分で決めたので

    突発的に辛いと思っても、なんとなく乗り切ってきたところがある。

    ありがたいことだと思う。

     

    でも、今でもなんだか「しんどいなあ、しんどかったなあ」と思い出すことがある。

    それは

     

    すべての重要な決断を自分一人の頭の中で行わなくてはならない

     

    ってこと。

    子どもが小さい頃は話し相手にもならず

    お金の話や難しい交渉の相談をする相手がいない中で

    あれこれ一人で悩みながら物事を決めていくのは、度重なってくるとかなりしんどかった。

    一人で決断して、一人でその結果の責任を負うことへの重圧みたいな。

     

    もちろん、反対意見を言われたり、無関心を装われる配偶者がいないほうが、楽なこともいっぱいある。

    「無理解な夫がいるくらいなら、いないほうが数倍マシ」というのもほんと。

    でもね、子どもがいると、その子の暮らしといのちの責任も負ってるわけなので、重圧感が半端なく。

    フリーランスの不安定な収入で、稼ぎ手が一人しかいないという重圧も大きかったけれど

    それに加えて、大きな決断が必要なときに「一人で頭の中で考えて決めていく」のは荷が重かった。

     

     

    子どものトラブルや住宅設備の故障といった日常のことに始まり

    マンションのローンの金利とか保険とか。

    書類の書き方よいのかな、しておかなくちゃいけないことはこれでいいのかな?

    みたいなことを、モノローグみたいに自分の頭の中で処理して動いていく必要があった。

     

    決断や処理は一人でなんとかできたとしても、その過程で

    「いいのかなあ、これで」と口に出して同意を得るとか

    ほんとにもう!」とか「なんとかしてよ!」 って言葉でも投げつけられる相手の不在は

    しばらくたってから、ボディブローのように効いてきた。

     

    つまりそれは

     

    責任の折半のようなものなのかもしれない。

     

    家事をシェアして欲しいとか、保育園のお迎えを交代して欲しいとか

    結婚していた時はそんなことを不満に感じたこともあったけれど

    それでも「子どもの命を預かっている、子どもの人生を背負っている」ことの責任を折半してくれる人はいた。

     

    意見が対立したり、理解されないことはあっても

    家の中にもうひとり大人がいる ということの意味は

    経済的な部分に加えて、責任のありかという意味で自分の負担を軽減してくれていたのだということが

    離婚してはじめてわかったんだった。

     

    ま、こうして書いてみると当たり前のことだよなーとは思うけど。

     

    そんなわけで、たまに

     

    「一人で決めていかなくちゃいけないことも多くて、いろいろしんどい」

    などと言う愚痴をこぼすこともあった。

     

    そんな時、相手にこう返されることが、さらにボディブローのように効いてくるんだった。

     

    「夫がいたってなんの役にも立たないし、責任感ないし、いてもいなくても同じよ」

     

    「夫がいたって、私だって子育てひとりでやってきたし、なんでもひとりで決めてるようなもんよ。

     夫婦でいたって、結局はどちらかが先に死ぬんだし、最後はひとり。

     あなたも私も何もかわらないわよ」

     

    「ほんとほんと、うちだってほぼ母子家庭状態よ」

     

    うん、たぶんそうだよね。

    きっとそう。

    でもね

    なにかが決定的に違う。

     

    無理解で手伝わない夫との子育てと

    一人の子育ては

     

    決して同じものじゃない。

     

     

    離婚を後悔していないし

    ひとりで子育てしてきたことは楽しく、素敵な思い出だったけれど

    「いたっていなくたって同じようなもんよ」と言う人には

    じゃあ、本当に一人でやってみてから、「同じだ」と言ってよと思う。

     

     

    まあ、逆に

    「本当にタイヘンよね、かわいそうに」

    なんて言われるともっと !!! と思うわけなんで>笑

    このあたりの感覚はちょっと複雑でめんどくさいもんだと思う。

     

     

    ということで、離婚してタイヘンだったなあって思ったのは、経済的なこともさることながら

    責任を折半する人がいない中で、「頭の中で一人で考えて、決めて、黙々と処理していく」ことの重圧みたいなもので

    それはどこか、そこはかとない孤独という感覚に近いものなのかもしれない。

     

    離婚は私に自由をもたらしたけれど

    自由であるということは、同時に大きな責任を背負うことであり

    やっぱりどこか、ちょっぴり孤独なのだった。

     

     

     

     

    私の母は父といつもけんかばかりしていて、家の中が殺伐としていて、子どもの私は大変苦労したんだけど

    その母はよく口癖のように

    「あんたがうらやましい。私も離婚して一人暮らしがしたい」と言っていた。

     

    ある日

    「あんた自由でいいわよね、気ままに好きなことして。

     もうパパのごはん作るのいやだし、心穏やかに晩年は暮らしたいの。 絶対いつか一人暮らしする」というので

     

    「あのね、私は一人で自由に生きているように見えるのかもしれない。

     でも、自分の責任で物事を決めて生きていくのはものすごいエネルギーが必要だし、お金も必要で

     自由に生きるって、あなたが思うような”好きなことをして生きている”って意味じゃ全然ないんだよ。

     ママの今の恵まれている部分にも、ちゃんと気づいて」

     

    と諭したことがあった。


    一昨年父が亡くなり

    一人暮らしがしたいと言っていた母は夢がかなったわけなんだけど

    「いまやっと、あんたが言ってた意味がわかった」と言う。

    どんなにけんかばかりしていても、怒鳴ったり怒る相手がいてくれたことで自分がどれだけ生かされていたのか、

    相手への不満をぶつけ合うことは、どこか生きるエネルギーにもつながっていたのだということを

    父の死後、母ははじめて気づいたんだそうだ。

     

     

     

     

    体験したことのないことはわからない。

    そういう意味では、世の中には自分が想像もつかない「わからないこと」が、山程あるんだと思う。

     

     

     

     

    ちなみに、数年前まで「両親が揃わない家庭」を作ってしまったことの罪悪感みたいなものを私はずっと抱えていたんだけど

    息子がアメリカに留学した時、留学先のテキサスに行って、真夏の太陽のアスファルトの照り返しを受けながら歩いていた時にした会話で、ひとり親家庭の罪悪感みたいなものは、真っ青なテキサスの青空の中に溶けて消えてしまった。

     

     

    ごめんね、親の都合で両親が揃わない家庭にしてしまって。

    学校で何かがあったりするたびに、やっぱり母子家庭だからって後ろ指をさされてしまうんじゃないかって罪悪感を感じてた。

    心の中でいつもびくびくしながら、申し訳ないって思ってきたんだよ。

     

    そう話したら、あっけらかんと息子は言ったんだった。

     

    え?

    なにそれ。

    ぜんぜん気にしたことない。

    俺のまわり、いっぱい片親の家庭あるよ。

    でもそいつら、みんな人の痛みがわかるしすげーいいやつがたくさんいる。

    両親揃っているからちゃんとしてるなんてこと、全然ないよ。

    見た目いい家庭に育ってるから、そいつがいいやつだなんてことないし。

    罪悪感なんて感じる必要ないから。

     

     

     

    それを聞いて、すぅーっと肩のあたりから、何かが抜け出して青い空に溶け込んでいった気がした。

     

     

    たぶん、壊れかけた家庭を必死に守るより

    あの時、一人になる選択をしたのは絶対に間違っていなかった。

    だから、まあ、ちょっとぐらいのタイヘンさを引き受けるのは、フェアなことなんだと思う。

     

    ただ、子育てが終わりに近づいて

    なんだかやっとそんな重圧から開放されるかなーと思ってはみても

    一人っ子で独身の私には、親の問題ってのも関わってくるわけで、

     

    父の葬式のあと、一人残った母の今後については

    まあ、私一人でなんとかせにゃあかんのねえええ。

     

    いろいろ先が見えない分、遠く空を仰ぎ見る気になるけれど

    まあ、なんとかするしかないのだよね。

     

    前のブログに書いた

     

    「一人しかいなけりゃやるしかないから、なんとかなる」ってお話は

    ここにつながるわけなのでした。

    ちゃんちゃん。

     

     

     

    以上、楽になったことと、タイヘンだったこと総集編でした。

    今日はこのへんで。

     

     

    category:Dairy Tokyo | by:武蔵野婦人comments(4) | - | -
    Comment
    介護に関しても本当にそうなんだよなぁ、と思いながら読みました。
    つい頷いてしまいました。
    めんどくさい兄弟がいても猫の手も借りたい時もあるし、愚痴を言いたいときもあるし、何より全ての責任が自分にあることのプレッシャーで休まることはなかったです。終わったあと思ったことですが。一人のつもりでやっていることと、本当にひとりは全く違いますね。
    • 55
    • 2019/07/10 9:57 AM
    >55さん
    コメントありがとうございます! そうか、介護もやっぱりそうですか。。。。。。近々必ず遭遇することなので、心して読みました。子育ては未来の希望がありますが、介護は先が見えず、最後はお別れになるわけで。プラス、役所との交渉など子育てよりいろんなハードルがありそうですね。ほんと、「つもり」とホントの一人は違います。ただ、ホントに一人だと「やらない」と決めるのも一人なので、いい塩梅にやっていけたらいいなあ。頷いてくださってありがとう!
    • 武蔵野夫人
    • 2019/07/10 10:58 AM
    私の家事の師匠は、町田貞子さんとももせいづみさん。家庭を持った頃、どんなにももせさんに助けられたことか。

    夫を突然亡くし、幼児と仕事を抱えてうろたえる中でこの記事にたどり着き、またももせさんに救われた。

    「すべての重要な決断を自分一人の頭の中で行わなくてはならない」「一人で決断して、一人でその結果の責任を負うことへの重圧」
    気持ちを代弁してくださってありがとう。
    • ゆうこ
    • 2019/09/04 12:53 PM
    なんかとってもうれしいコメントで、ちょっと乾いていた私の心に恵みの雨が振りました。しっとり、ゆったり、うるおいました。ありがとうございます。
    ただ、ゆうこさんの現実はいろいろ困難に直面されていらっしゃるのですね。とにかく心からエールを送ります。世界にたったひとりぼっちという気持ちになっても、必ず誰かがいます。そして、子供もやがてたくましく育ち、大きな支えになってくれます。まわりの人達や行政など、頼れるものは何でも、いっぱい助けを求めてくださいね。きっとあとから、振り返って懐かしむことができる時間が来ます。どうぞどうぞ無理なさらずに!! こちらこそ、声をかけてくださってありがとうございました。
    • 武蔵野夫人
    • 2019/09/11 11:47 AM








       

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