長いことずっと泣きたいと思っていたのに、泣けなかったのはなぜなんだろう

2018.07.18 Wednesday 13:21
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    何年ぐらい前からだったかなー。

    私、なんだかすごく泣きたいんだ、って思ってた気がする。

     

    心のどっかで、いつも泣き出したいような気分なのに、ちっとも泣けなかった。

     

    涙活って言葉が流行っているけれど、どこかまでの私は、ストレス解消によく泣いていた。

    一番泣ける映画を準備して、水やお茶をいっぱい飲んで、朝からごろごろストーリー全部わかっている映画見ながら、おいおい、うおーうおーと泣いて、それで心がリフレッシュして、ちょっとしたカタルシスを味わう、なんてことがよくあった。

     

    それが、どこからか、心に蓋が閉まったような感じが続いて、泣けなくなった。

     

     

    ときどき、ふと、夕暮れの街なんかを歩いていて

    足が止まって、ああ、この不思議な感覚は何なんだろう、と思う。

    それで、気づく。

     

    あ、私、泣きたいんだ。

     

     

     

     

    胸の奥のあたりから、うぉーって声をあげて泣けたら、どんなにいいだろう。

    ぽろぽろぽろぽろ涙が溢れて止まらなくなったら、どんなに爽快だろう。

    でも、泣き出しそうになる途端、心にシャッターが降りたようになって、泣けなかった。

     

     

    それ、たぶん、2011年の3月からだったと思う。

    東日本大震災のあと、自分の心の中で何かが止まってしまったまま、動かなくなってしまったように思う。

    最近、それに気付いて、

    その止まってしまったものは一体何なんだろうって考えていたところだった。

     

     

     

    今回、病気がみつかって

    体中がシェイクされたような激震を味わって

    それでも、なんだかちっとも、泣けなかった。

     

    おともだちに

    「心を許せる人の前で、思いっきり泣くんだよ」って言われて、はっと気付いた。

     

    ぜんぜん、泣けないのだった。

     

     

     

    ここ数年の、泣けなかった間、ふとした瞬間に、たまに口をついて出る言葉があったの、今思い出してる。

     

    「パトラッシュ、ぼく、もう疲れたよ」

     

     

     

     

    子育てして仕事して、親の死を見送って、残った親の面倒を見て、そして自分の夢みたいなものにも目を向けて。

    50代って、もう、人生のいろーんなことが一気に「まとめ」に向かっている時期だったなあと思う。

    友達に恵まれて、いろんな機会に恵まれて、仕事もあって、

    子供が成長して、どんどん環境が変わって新しい経験に身を投じていたときには自覚していなかったけど

    たぶん、いっぱいいっぱい、疲れは溜まっていたんだろうな。

     

     

    病気がみつかったあとは、検査や手術する病院を決めたり、準備することであわただしく、気持ちも落ち着かなくて、本当に泣いている暇なんてなかったんだけど、たまに、ふと、ああ、大声をあげて泣きたいと思うことはあった。

    それでも、ちっとも泣けなかった。

     

    だから入院したり、手術したり。

    そんな中で、どっかで、思い切り泣けたらいいのかもしれない、って思う。

     

    ちゃんと、泣いて

    閉まってしまっていた気持ちのシャッターみたいなものを開けて

    また、自分に向き合っていく。そんな時期なのかもしれないなーって思ったりしてるけど。

     

    どうなんだろう。

     

     

     

     

    そういえばね

    5年前に誤診で肉腫の疑いと言われて、まだいっぱいやりたいことがあったのに!! ってうろたえたことは前のブログで書いたけれど、そのときに、もう一つ心の中で渦巻いた声があった。

     

    それまで、私の周囲でいろんな人の噂話をするのが得意な知人の、こんな声だった。

     

    「あ、あの人もねー。いろいろあったでしょ。あれじゃあ病気にもなるわよ。大変ねええ」

     

     

     

    実際に言われたわけじゃぜんぜん、ないのに、頭の中で渦巻いた。

    それまで、病気になったり、トラブルを抱えた知人たちを、

    「あーーー、あの人もねー。大変よねー」と言いながら、噂話をするのを何度も聞いてきたから

    ああ、私もそう言われるのだ、と勝手に思った。

     

    それで、

    ああ、もう

    そんな風にだけは言われたくない! って強く強く思ったんだった。

     

     

    私、ちっとも大変じゃないもん。

    かわいそうじゃないもん。

     

    大変でもかわいそうでもない場所から、簡単に哀れんだ目で語られたくない。

    そう、強く思った。

     

     

    何なんだろう、弱ってしまったときの、心の中に生まれるこういうダークサイドみたいな部分って。

    気にする必要のない人、気にする必要のない、しかも架空の言葉に、こんなにもダメージを受けるって、なんだかとても驚いた。

     

     

    とにかく、5年前の私は、大変で、かわいそうだと憐れまれたくなかった。

     

     

    でもね

    今、それ、ちっとも気になってない。

    言いたければどんどん言って、って思う。

     

     

    だって、ある意味、今、ほんとにそうだと思うもん。

    いや、悪い意味ではぜんぜんなく

     

    やりたいことはどんどん手をつけて、後悔しないように生きてきたけれど

    その中で

    弱くて、大変で、疲れていて、心にシャッター降りちゃって泣くに泣けないでいる自分が明らかにここにいて

     

    だから

     

     

    自分はちゃんとそれに向き合わなくちゃいけないんだな、って。

    あとは

    そんな自分に、まわりの人にも向き合ってもらっていいんだな、って。

     

     

     

     

    なんでも後付けで都合のよい意味を見出すことは、あまり好きじゃないけど

    いま、病気に意味があるのだとすれば

    きっとそんなことなのかもしれないなーって、そんなこと思いながら、明日から入院してきますー。

     

     

    ドキドキだああ。

     

     

     

     

    category:Dairy Tokyo | by:武蔵野婦人comments(2) | - | -
    Comment
    いづみさん
    どうかご無事で、帰ってきてください。
    そして、できましたらまた書いてください。待っています。
    • ともこ
    • 2018/07/20 8:03 AM
    >ともこさん ありがとうございます!
    無事です。人って、医療ってすごいなあと思ってます。また書きますね!
    • 武蔵野夫人
    • 2018/07/24 11:03 AM








       

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