フランスで2週間掃除せず、寝間着も洗わなかった。んで、日本の家事時間、英米の倍らしいのは何故なのか考えてみたよ

2017.10.10 Tuesday 07:30
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    以前マンションの間取り等を決めるプロジェクトの助言役みたいのになって、ターゲット顧客へのアンケートで、掃除の頻度や掃除道具の収納場所などについて調査をしたことがある。

     

    戻ってきた答えみて、なんだかびっくりしたんだよね。

    7−8割近い人が「毎日掃除機をかける」と回答してきた。

     

    え、ほんと?

     

    みんな、そんなに毎日掃除機動かしているの?

     

     

     

    ま、確か6−7千万円代物件だったと思うので、家事もベテランとなった時間的余裕のあるファミリー層ってターゲットなのかもしれないけど。うーん。

     

    アンケートの罠というのはあって、設問に選択肢があれば、「そうしている」ことを選ぶようでいて、「そうありたい」もしくは「そうあるように努力している」回答を選んでしまうことは、よくある。

     

    毎日掃除機はかけたいですね。はい、○。(という自己理想)

     

    という人も含めて、多くの人が毎日掃除機をかけているという前提で、マンションの間取りや収納は考えられることになる。

     

     

     

    そういう意味では、家事には、「きちんとやるべき」という見えない呪縛のようなものが歴然と存在していて、手抜き(と判断されるもの)を「さぼり」や「ズボラ」と称して、誰かが見てるわけでもないのに自己懲罰したがる風潮があるような気がする。

     

    このところちょいネットで評判になった、これ。

    マイクロズボラ

     

     

    よく言ってくれた、心が軽くなった、私もよくやっちゃう。。。なんて声がネットで垣間見られてイイネボタンがたくさん押されていたけれど、私はこれを見て、なんだかぐったり泣きたくなっちゃった。

     

    これ、ズボラなの? たとえマイクロであっても。

     

    やらないほうがいい、と認識されているからこそ、やってもいいんだよ(ほっ、よかった)って声になるってことだよね。

    でも別にやっていいんだよ、なんて言われるまでもないことばかりで@私。

     

    そんで、なんで全部女性なんだろ。

    家の仕事のマイクロズボラは、みんな女性のカテゴリーのことなんか。

     

    チョコレートは男だって食べるしさ。男が塩を袋から直接使ってたっていいじゃん

    (ってか、それがズボラだということにさえ、私は気がつかなかった。何がいけないのかよくわからない)。

    ま、そんなこといちいちうるせーなと思う人もいるだろうから、この辺にしとく。

    (ロバート秋山は好きだから、これはCMそのものを批判しているわけじゃないよ。

    なんかこんな世界に住んでるんだなーってことに泣きたくなっただけ)。

     

     

     

    そんで、いまフランスにいて

    たぶん、この国でこの動画ほぼ意味不明だろうなあと思うわけですわ。

    ほんとよ、私にも意味不明だけど(笑)背景はちょっとわかったりする。

    でも、もう背景もわからんだろ、これわ。と思うわけです。

     

     

    私がよく講演で使うデータがあって、世界の主婦の家事時間ってやつなんだけど、それでいくと日本は1日4時間半ぐらいの家事時間なのに比べて、中国は2時間以下だし、アメリカやイギリスも2時間ちょいという結果が出て、とりあえず日本の主婦はそのあたりの人たちの2倍以上の時間、家事をしているということになるらしい。

     

    それ、なんでだろうなあとよく思うんだけど、

    ひとつにはこの「マイクロズボラ」に見られるような、自己懲罰的に自分で自分のハードル上げちゃって、用事を増やしているという部分と

     

    それともう一つ、やっぱり暮らしのシステムそのものが、家事を生み出す形になっているなあと思うことがたくさんある。

     

     

    一番実感するのは、床の違いだ。

     

    欧米でも、そのまま土足でドカドカ家に入らず、入り口で室内用の靴に履き替える人たちはたくさんいる。

    でも、アメリカは多くが絨毯敷きだし、フランスに至っては、もうもとの家が古い建物を使用しているから、床が石だったり古い板張りだったり、色もくすんでいて、埃もゴミもなんかもう、ぜんぜん目立たないから、「掃除しなくちゃスイッチ」がまったく入らないまま、毎日暮らしていける。

     

    私、今回この家に2週間暮らして、今日はじめてほうきをかけてちりとりでゴミ集めて捨てた。

    でも、ゴミほとんど集まらなかったよ。毎日朝から晩までここで過ごして2週間掃除しなかったけど、別になんの支障もないし、不快感もなかった。

    ここまで見事に「掃除しなくちゃスイッチ」と無縁の家の作りって、私はとっても好きなんだけど、日本だと不潔ってことになるんだろうか。

     

    ほんとにね、日本の過度に清潔な暮らしが家事を増やしているのは仕方ないことなんだろうと思う。

     

    日本の家は素足で暮らすし、さらにようわからんツルツルのフローリングが流行っちゃったので、この環境でリビングに隣接した日本間あたりで布団の上げ下ろしなんてしたら最後、朝掃除機をかけても、確実にまた夜には埃のダンスが鑑賞できる仕組みになっている。

     

    テレビ画面につく埃や、窓から入り込む埃とか。特にマンションの内装を構成している素材は、敢えて掃除を生み出す仕組みを作り出しているように見えて仕方ない。

    さらにそういう環境下で、「こうしてお手入れをすべき」という専門家があちこちで情報を提供してくるので(あれ、すまん。時々私もその役割をすることがある。謝っとく)、時には這いつくばって、綿棒でフローリングの溝にたまったほこりをきれいに取ることが推奨されたりする。(子供のアレルギーの原因になるんだから、責任重大! みたいな感じで。アンビリバボー)。

     

    なんかもう慣れちゃったからそんなもん、って思ってはいるけど、これ、素材を変えるだけで家事めっちゃ楽になるのになあ、って思うことはよくあるよ。

     

    うちは床をコルクタイルにした途端、埃のダンス消えたし。家具も古いアンティークもんにしたら、埃とか気にならない。

    もう機会はないかもだけど、いつか自由に家を作れたら、室内犬と一緒に室内ばきで暮らせて、ベランダや庭と直接つながっている、古いタイルや板張りのこっちの家みたいのを建てたいなとよく思う。だってそうじ楽だもん、そのほうが。

     

     

    あともうひとつ、これは不便だけど逆に楽だと思う、こっちのキッチンの排水口。あの変なバスケットみたいなやつ、フランスはついてない家のほうが多い。穴あるだけだよ。

     

     

    アメリカはディスポーザーだったけど、どちらにしても、あのどろーんとなりがちな排水バスケットというのは、実はなくてもなんとかなっちゃって、ゴミを排水に流さないような配慮とか、生ゴミの処理を楽にするとか、前向きに検討してくださった結果、逆にお手入れをする箇所を増やしてしまったのではないかとさえ、思う。

     

    そんで、講演でよく「2つバスケット買って交互に使えば、汚れなくなって楽ですよ」とお話しすると、必ず誰かが「それでは細かいゴミが流れてしまう。バスケットにネットを被せないといけない」と言って、本当に、細やかにいろんなことを考えて家事をしている方が多いんだなあと感心する。

     

    それ、すごく素敵なことだけど、でもやっぱりいろんな細やかな配慮が、家事の時間を増やしていることに変わりはないような気がする。(実際には細かな目のバスケットを選べば、ストッキングみたいなネットはかぶせなくても支障はないです、はい)。

     

     

    もいっこ、こっちはバスタブがないか、湯をためて使うことが少なくてシャワーだけってのも大きいし(風呂掃除って、ほんとなんの罰ゲームかって思う、これに慣れると)、湿度が低いから、洗濯物の頻度も少なくてぜんぜんオッケという背景もあるので、もう、暮らしの仕組みそのものが、日本は家事を多く必要としているんだなあ、と改めて思う。

    調理もね。(これは語り出すと長くなるし、また別の価値観カテゴリーなので今回はしない)。

     

    それで、もう一つ面白いことがあって、いまレジデンスをしている家に洗濯機がなく、下着類は自分でちょこまか洗っていたんだけど(手絞りでも部屋干しで一晩で乾く。楽チン)、厚手のトレーナー生地の寝巻きは、別に暑くて汗かくわけじゃないし、いけるところまで行こうかなーと思って、洗わずに着続けた。

     

    2週間目に、なんか困ったことない? って言われて

    そういえば寝間着洗ってもらっていい? って友人に頼んで洗ってもらった。

     

    でも、そういうもんだと思ってしまえば、それまで特に、不快感もなく、当たり前のように2週間着てなんともない自分に、ちょいびっくりしたのだった。

     

     

    私、日本だとほぼ毎日寝間着洗うから。(冬は続けて着ることもあるけど)。

     

    夏は汗をかいて不快な臭いがするから洗うけど、汗をかかない季節でも、汚れたから洗うというよりは、着たから洗う、という習慣で洗っている。

    下着もタオルもすべて、身につけたから、使ったから洗う。

    もうこれは習慣みたいになっているから、一人暮らしでも洗濯は頻繁にすることになる。

     

    でも別に洗わないって思えば、2週間同じ寝間着を着てたってなんも不便なかった。あれ、いいじゃん、これで。なんであんなに洗ってたんだろう。

     

     

    私の友人のジャーナリストの子が、子供がまだ小さい時にバックパッカーになってスペインを旅行したことを本に書いたことがあるんだけど、その時彼女も同じようなことを言っていた。

    1日になんども肌着を変え、毎日風呂に入れ、常に赤ちゃんは清潔にしていたけど、旅に出たら気がついたら風呂に入らない日も多く、同じ下着で数日暮らしていることもあり。

    それでも何も困ったことはなく、子供は元気で意外と風呂に入らなくても臭わず病気にもならず。なんだ、これでもいいんだ、日本で私は何をしていたんだろうって思ったって。

     

    こう言ってる私も日本に戻れば、絶対毎日寝間着は洗うし、馴染んだ家事を元どおりに続けるんだと思うんだけど、やっぱり場所が変わると、当たり前と思ってやっていたことが、ふとほどけて、違う風景に見えることがあって面白い。

     

    マイクロズボラしてもいいんだよ、って言われて楽になったという人が

     

    掃除なんて月に一度でいいくらいかも

    寝間着? 2週間以上着れるよ、まだまだいけそう

     

    と言われても、まあ、ぜんぜん楽にはならないんだろうと思うけど>笑

     

    その間のどこかに、「ここまではちゃんとやらないと」と思うゾーンみたいなものがあって、暮らし方そのものがそのゾーンを高めているのと同時に、その設定レベルが高い人が日本には多いのかもしれない。

    そんでも、なんか欧米の2倍の時間の家事を必要としてしまう暮らしの仕組みと気持ちの仕組みは、どこかで変えられることができるんじゃないかと。

    そんなことを考える今日なのでした。

     

    ちなみに男性の家事時間がアメリカやドイツイギリスが約1時間、日本は25分。25分!! 4分の1! なので、女性が2倍家事をして、男性が4分の1しか家事をしないという状況は、きちんとみんな考えたほうがいいんじゃないか、と私は思うわけです。世の中よく男性にシェアしようというけど、女性がもっとやらんでいいよ、ってどんどん手放していくことも大事だよ。違うかな。どう考えても家事の総量が多すぎないか、と海外に出るとほんとに思うから。

     

     

    あー、手をかけ時間をかけることに価値があるとか、家事はZENに通じる大切な営みだとか、ま、そういうものの見方もあるけど、私が取り上げているのはあくまでも、家族がいて毎日の家事が無限に生み出され続ける(そしてそれが少なからず苦痛と感じたり、夫婦間での不公平感につながってしまったりする状況にある)人たちにとっての、家事です。

    じっくりたくさん取り組みたい人は、もうどんどん取り組んで語ってもらっていいと思う。それを隣人への規範としなければ。

     

    そんな感じで。

     

    やっぱり長くなる。

    今日はこの辺で。

    category:アートと暮らし en France | by:武蔵野婦人comments(2) | - | -
    Comment
    日本人女性は家事をやりすぎ、に同意です。
    自分で勝手に家事のハードル上げてイライラされたら家族も迷惑ですよ。
    なんで妻・母の趣味レベルのこだわり家事をデフォルトにされて、
    手伝わない・できてない等文句言われないといけないんだと
    感じてる家族は多いと思います。

    ”家事とはこうあらねば”というマインドの問題だから
    なかなか変わっていかないですよね。

    • まこと
    • 2017/12/13 7:14 PM
    >まことさん
    コメントありがとうございます!
    勝手に家事のハードルをあげてイライラする。それ、私は働く母親がいた実家生活で本当に身にしみました。家事情報は主婦サイドから発信されることが多いので、家族の気持ちというのはなかなかフォーカスされませんが、まことさんがおっしゃるマインドの問題は結構多いような気がします。
    • 武蔵野婦人
    • 2018/01/18 1:08 PM








       

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