「肩書き」のはなし。いろいろあってタイトルつけられない。

2016.04.08 Friday 08:58
0
    きょうは「肩書き」のはなし。

    日本の「肩書き」と、欧米の肩書きってちょい違うんじゃない? ってあたりと、自分の個人的な体験が入り交じっていくと思う。なので、タイトルがちょっとうまく思い浮かばないので、単に「肩書きのはなし」。


    先日、ある記事で
    「ドイツでは、自分が人生でやっていきたいことを肩書きにする。日本は、それでお金を得ていることを肩書きとする。」というような内容のものを読んだ。
    つまり、自分は絵を描きたいけれど、絵は一枚も売れていないという人が「アーティスト」と名乗ったら全力でアホかと思われるという事態が起こるけれど、ドイツ人はそんなのぜんぜん気にしない、ってこと。これは、フランスでもそうだし、アメリカでもそうだったなー。

    まあ、日本でも「言ったもん勝ち」という現実は確かにある。
    たとえば、私が会社員だった時代、仕事先に「コンフォートスタイリスト」と名乗る人がいた。
    1980年代、日本のトイレはまだ、和式が多く、臭くて暗い場所だった。
    それをきれいで、現代的で、もっと居心地のよい場所にしましょう、というようなムーブメントを私のいた会社は起こしていたわけなんだけど、つまりはそれをする人です、という肩書きで、要は「トイレスタイリスト」ってことになる。

    日本の場合は、なるべく目新しくて、それだけじゃ何やってんだかよくわからん、という物のほうが
    まだ受け止められるような気がする。
    ハイパーメディアクリエイターとか。なんだかぜんぜんわからんけど、まあその手のやつ。
    小説家、アーティスト、詩人、俳人などといった肩書きは、つけないほうが無難だ。
    どんだけ、自分がそれを目指していても。
    そして、すでにそれで十分認められているとしても、だ。


    名刺に書けば、それが肩書きとなり、仕事になる。
    それでお金を稼ぐということを第一要件に置かなくてもよいとなれば、それが人生となることもある。
    だから、肩書きってとても大事なこと。


    私が会社を辞めようと一度思ったとき
    私の尊敬していた女性の先輩はこう言った。

    「あなた、一度辞めてみればいい。
     いまのあなたが出かけていって、相手が話しを聞いてくれるのは
     ○○社 ディレクターというあなたの肩書きがあるから。
     会社名と肩書きがはずれたあなたを、今と同じに見る人なんていないよ。
     思い上がらないように」


    ああ、そうか。
    そういうことか。

    私はエリートコースを歩んだ人間ではなかったから
    自分に肩書きがあって、その肩書きが力を持つという発想を持ったことがなかった。

    でも、いま自分が仕事できているのは
    ある会社のイベントスペースのディレクターであるという肩書きがあるからなんだ。
    そんなことにはじめて気づいて、なんだか意味もなく反省した。

    それで、それから数年、反省しながらその仕事をして
    そこから辞めて、まったく違う分野の仕事で、独立した。


    そこから数年経ったある時
    なんだか意味わかんないけど政府の審議委員とかいうものになることが数度あり
    首相官邸だの○○省庁だので開催される会議みたいのに出て、あちゃー! と思った。
    ほかの出席者のみなさんの、席においてある名札の、肩書きの長いこと。
    4行ぐらいある人もいる。漢字だらけだ。

    一方わたしは

    ももせいづみ

    だけである。
    肩書き、敢えて書かなかったら、そんなことになった。
    これは困った、と思った。
    名前だけで識別してもらえるような業績も何もないのだ。
    何か肩書きをつけるべきだった。が、一体なんて?

    当たり前だが、私は誰からも相手にされなかったよ。
    名刺交換に来る人さえ、いなかった。
    それでもそんとき

    心ん中で、あのときの先輩に報告した。

    「会社の肩書きがない、私の名前だけで
     こんな状態だけど、それなりにやれるようになったみたいです」って。


    それからなんだかまたちょっと反省して
    肩書きを「生活コラムニスト」とした。

    それ、ほんとにそうなんか?っていまだに思う。
    人生でしたいことはもっと別にある。


    でも、それでお金をいただくことが一番多いので、日本的には私の肩書きはそれになる。

    一度、コラムニスト としたら
    何をする人かがわからないので、もっとわかりやすい肩書きをくれ、と言われた。
    なので、「生活」とつけたわけなのだった。
    とりあえず、自分でも何をしているのかようわからんので
    こんくらいが身の程なのかもしれない。



    いつも意味もなく長くなるこのブログなので
    今日も長くなる。

    この生活コラムニストという、あまりようわからない肩書きの私を
    そういえば

    海外の家電メーカーさんたちは、なんだか面白がって大切につきあってくださっていることを
    このところ思うことがある。
    海外の家電は、あまりモデルチェンジを繰り返さない。
    あと、こぶりの規模だから人事異動もあまりない。

    もう10年以上にわたって、いろいろ連絡を取ってくれて、交流がある。


    一方、日本の家電メーカーさんとは
    つながり続けられないままのところがほとんどだ。
    大きくて人の移動が多いってこともあるんだろうけど

    発表会とか行くと、ほんとによく思う。
    ここは肩書きの世界だ、と。


    力のある媒体の、力のある部署や地位にいる人が重用される場所だ。


    どんなに頑張って
    生活コラムニスト とつけたって
    まあ、あまり利益を生まない肩書きなのじゃ。
    力のある後ろ盾が何もない、ただの個人なんだから。


    でも、そんな人間もおもしろがってくれる場所があって。
    それが、ドイツの会社だったり、イギリスやフランスの会社だったり、北欧の会社であることが
    私はとても面白いな、と思う。
    組織だけでなく、一個人であっても、同じように扱ってくれるというのは
    私のような人間にとっては、とてもありがたいこと。

    そして


    これからどこで、何をして生きていきたいのかな?


    なんてことを考えた時にも
    大切なことだな、って思う。





    30代の半ばで、与えられた肩書きで生きることをやめた自分にとって
    これから名乗る肩書きは
    なるべく自然な、素直な肩書がいいと思う。

    ほいじゃ、何になりたいの? って思うと
    日本の社会の中では本当に、うまく思い浮かばない。




    肩書きっておもしろい。
    肩書きって、いくつまでくっつけとかなくちゃいけないんだろう。


    そろそろ

    にんげん
    ももせいづみ


    でいいような気がするんだけど。



    そういえば、仕事でお世話になって、私の今の方向性はその人からはじまったという人がいるんだけど
    私は何を専門にしていけばいいのかなあ、って悩んで相談したら


    あなたの仕事は
    ももせいづみを 
    生きること


    って言われた。
    だから、私の肩書きは
    ももせいづみ
    でよい、ということらしい。

    本当にありがとう、って思う。
    それ、心に大切に思いながら。

    ここからまた少しの間の人生を、どこを向いて生きていくのかっていう道しるべのような感じで
    小さな肩書きを
    また考えてみようかな、って思う。

     
    category:Dairy Tokyo | by:武蔵野婦人comments(0) | - | -
    Comment








       

    Calender
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930 
    << June 2017 >>
    Selected entry
    Category
    Archives
    Recent comment
    • なんでフランスのごはん作りはラクで、日本のごはん作りは面倒だと感じるんじゃろ
      武蔵野夫人
    • 12時間円柱を描きつづけてはじめてわかったこと。「気づく」までにはたくさんの時間がかかるのに、みんな先に教わってしまうんだね。
      武蔵野夫人
    • なんでフランスのごはん作りはラクで、日本のごはん作りは面倒だと感じるんじゃろ
      美枝
    • 12時間円柱を描きつづけてはじめてわかったこと。「気づく」までにはたくさんの時間がかかるのに、みんな先に教わってしまうんだね。
      李英二
    • 脳内地図とポップアップ現象ー50代からの英語4
      武蔵野夫人
    • お客様が神様の日本で、最近仕事で折れることが増えたのは、なんかとっても単純な理由だったことがわかった件
      武蔵野夫人
    • お客様が神様の日本で、最近仕事で折れることが増えたのは、なんかとっても単純な理由だったことがわかった件
      武蔵野夫人
    • フランスと日本のデッサン教本のヌードの扱いがあまりに違う件。なんで日本は女だけ脱がすんや!?
      武蔵野夫人
    • フランスと日本のデッサン教本のヌードの扱いがあまりに違う件。なんで日本は女だけ脱がすんや!?
      武蔵野夫人
    • 脳内地図とポップアップ現象ー50代からの英語4
      まゆ
    Recommend
    Link
    Profile
    Search
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered
    無料ブログ作成サービス JUGEM