岸恵子さんがパリで一番好きな場所と、アポリネールのミラボー橋から白鳥の小道を歩く

2015.08.28 Friday 00:59
0
    8月27日。
    昨日日記をさぼりました。ちょい疲れが出て体調崩し寝てしもたー。

    ということで、昨日と今日まとめて。
    そろそろ1ヶ月の疲れが出だして、朝起きるのが辛い。あと、やっぱりパリは行くところがいっぱいありすぎて、あっちもこっちもと思っているうちに1ヶ月なんてすぐ経ってしまう。
    ブルゴーニュあたりに滞在していた時は、行くところといってもさほどないから、午後は散歩するだけとか、近くの市民プール泳ぎに行ってみるかーとか、なんもすることねーし、料理でもするかー、なんてことになり、意外と体力使わなかった。
    パリは体力勝負だ。
    もう、行くところありすぎる。

    帰国が近づいて、あせってます!
    って、クラスのももちゃんも言ってた。
    私はルーブルやオルセーをすっ飛ばしているけど、そのあたりにちゃんと行こうと思ったら、やっぱり1ヶ月でも足りないくらいだ。

    たいしたもんだ。

    あ、でも東京もすっごくたいしたもんだと思う。
    たぶん、自分が東京好きだったら、1ヶ月でも足りない気がする。

    で、水曜日。26日。
    なんだか天気がよくなっていたので、前からずっと行きたかった、ミラボー橋に行ってみることにした。

    ミラボー橋って、G.アポリネールが、マリー・ローランサンとの恋愛を唄った詩がある。
    私が唯一、フランス語で暗唱できるシャンソン。
    でも、その橋はパリのすごくはずれにあって、普通の観光ではまわりになにもないのでほとんど行く事はない。

    今回はぜひ、行って、その上でミラボー橋唄ってやる! と思っていたのだった。


    ガイドブックにはほとんど出てなかったんだけど、ネットでミラボー橋のすぐ近くに
    パリでは珍しい大型のショッピングモールができたという情報が出てた。
    それ、行きがてら、と思って地下鉄で1時間ぐらいかけてパリの端っこへ。



    あったあった。
    ショッピングモール、ボーグルネル。
    東京ではぜんぜんめずらしくない規模だけど、まあ、パリ市内ではここだけじゃろうなあ。



    こういうのに、ちょっと飢えてた自分発見>笑
    楽しかった。MUJIも入ってたし、イギリスのMark&Spencerも入ってて、そこはとても賑わってた。

    そこからミラボー橋へ。

    で、橋の上に来てから肝心のことに気づく。

    橋の上からでは。



    橋の上からでは。



    橋は見えない。。。。。。。。
    なぜ気づかなかったのか。





    ミラボー橋を見るためには、ひとつ隣の橋に行かねばならんのね>笑


    でも、とってもいいものが見えた。





    ミラボー橋から見える風景。




    あああ、そうか。

    白鳥の小道を中にはさみ、セーヌが2つに別れ、その真ん中に自由の女神が。そして絶妙な距離にエッフェル塔が。


    当時、アポリネールとマリー・ローランサンは、ミラボー橋をはさんで15区と16区に住んでいたんだって。
    だからこの橋は、二人が会うためにいつも渡っていた橋なんだね。

    このミラボー橋は、1900年ぐらいに出来ていて、当時ではすごくめずらしい鉄建築だった。
    隣の橋から撮ってみたけど、いまひとつかな。でも、ぜんぶ鉄でできてるかなり頑強なもの。



    そして、このミラボー橋と同時期にできたのが、エッフェル塔。
    当時はエッフェル塔はパリの景観を壊す、おぞましきものと言う人が多かった中で
    アポリネールは、なんて美しい建造物なんだー! って思ったらしい。

    つまり、ミラボー橋も、エッフェル塔も、時代の最先端だったわけだよね。


    Sous le pont Mirabeau coule la Seine
    Et nos amours
    Faut-il qu'il m'en souvienne
    La joie venait toujours après la peine

    ミラボー橋の下、セーヌは流れる
    そして私たちの愛も流れ去る
    辛い思いの後にはいつも愛の喜びが訪れたことなどを
    思い出して何になる

    Vienne la nuit sonne l'heure
    Les jours s'en vont je demeure

    鐘が時を告げ、夜が訪れても
    日々は過ぎ去り、私はひとり残される


    なんだか古き良き時代の郷愁という気持ちでミラボー橋を訪れたけれど
    考えてみたら、この時代を生きた二人にとっては、最先端の場所で、時代の風を感じていたんだと思う。
    そう思いながらエッフェル塔をこの場所から眺めると、違った見え方がしておもしろい。
    やっぱり、その場に立ってみるまでぜんぜんわからないことって、あるんだなあって思う。

    ちなみにミラボー橋を撮影したグルネル橋から、セーヌの中州のような白鳥の小道が始まるわけだけど、ここには自由の女神が立っている。



    ニューヨークのものよりはずっと小さい。
    でも、もとはフランスなんだよね。
    で、この除幕式があったのも1898年。
    いずれも、1900年のパリ万博に向けて、パリにいろんな建造物ができている時だった。

    パリのどこからでもエッフェル塔は見えるけれど、自由の女神とエッフェル塔が一緒に見えるのは、このミラボー橋の上だけ。アポリネールはそんな、新しいすべてのものが見えるこの橋の対岸に住んでいた恋人達の歌として、ミラボー橋を書いた。

    唄った、唄った。
    橋の上で唄ってやった。




    白鳥の小道は、最初はちょこっと歩いてみるだけと思っていたんだけれど、橋から橋まで歩くと、ビラケム橋までたどり着くことがわかった。



    両側がセーヌに挟まれた、木立の散歩道。



    気持ちがいいわ、と思って歩き始めたけど、靴が合わなくて足が痛くて
    さらに、両側のベンチはこの先、ほとんど恋人同士の大イチャイチャ大会のみとなり
    (いや、フランスの恋人同士はすごい。むちゃくちゃいちゃいちゃしてんだけど、あまりいやらしく見えないのはなぜだろう)
    まあ、私としては下を向いて足早に歩きすぎたという感じの散歩となりました。



    そして、白鳥の小道の終点には
    これがある。



    ビラケム橋。

    以前見た岸恵子さんのパリでの生活をルポした番組で、ちょうどこの恋人達が座っている場所に、
    岸恵子さんは立って、カメラを見ながら
    「ここが私がパリで一番好きな場所」と言った。


    それ、なんかかっこいいな、と思ったんだ、それ見たとき。
    パリで一番好きな場所が、ここって。


    「パリにいる。ここに立つといつも必ずそんな気持ちになる」。




    ほんとだよ。
    ここ、そういう場所。
    ということで、写真撮る。

    岸恵子さんが好きだと言うことに説得力があるなと思ったのは、ここは



    後ろはこんな風に、地下鉄が高架線になってセーヌ川を渡る場所でもあって
    そしてなんといっても、いま地下鉄が走り出てきた向こう側、セーヌ右岸は16区の駅、パッシーがある。

    パッシーからトロカデロ周辺といえば、パリ屈指の高級住宅街で、とても保守的でスノッブな人たちのお屋敷が並んでいるところ。

    このセーヌの真ん中に位置するお気に入りの場所に、恵子さんはいわずともがな
    パッシーから歩いてきたのよ、ってことが透けてみえる構図になっているような気がする。
    お友達のおうちに招かれた帰りにちょっと立ち寄ってみたとか。そんな感じで。
    反対側左岸には、ビラケム駅があるんだけど、そっちからじゃない。

    テレビで見たときは、エッフェル塔だけが写っていたので気がつかなかった。
    この場に立ってみてはじめて、ああ、ここは本当に岸恵子さんらしい場所なんだな、と思った。


    アポリネールがその時代に立ってたミラボー橋。その右岸と左岸。
    立ってみるまでわからなかった、エッフェル塔と自由の女神と、ミラボー橋の位置関係。

    岸恵子さんが立っているビラケム橋。その右岸と左岸。
    立ってみるまでわからなかった、パッシーとトロカデロの位置関係。


    旅の醍醐味は、写真や本からだけでは推し量れない、3Dの位置関係にあるものが見えて来る事だと思う。
    そこに、においや、風や、光や、音が加わって
    かけがえのない風景が見えてくる。
    ずっと歩いてみたい場所だったけど、ほんと、行ってみてよかったです。


    ちなみにビラケム橋といえば、映画「ラストタンゴ・イン・パリ」で、最後にマーロン・ブランドが歩いていた場所。
    このメトロの高架下はその舞台としても有名で、私は映画自体はあまり好きではなかったけれど、この場所に立つたびに、変態マーロン・ブランドがよたよたと歩く姿を思い出す。

    この日も高架下では、なんかミュージックビデオみたいなのの撮影をしてた。
    フランスって、おしゃれなようでいて、映像とかデザインってちょい変態チックで田舎臭いものもすごく多くて、ビデオはとっても田舎くさくって、見てて恥ずかしかったけど、おもろかった。


    そんな一日。

    で、歩きすぎたんだと思うけど、体調崩して寝込んだ。

    今日はそんなこともあって、クラスのお友達とタルトフランベだけ食べて帰ってきた。
    東京では本当にバカ高くて小さいので、おいしいタルトフランベを食べられるのはとっても幸せ。



    明日は元気になるといいな。
    早く寝ます。
    おやすみなさい。

     
    category:Paris ひとり暮らし | by:武蔵野婦人comments(2) | - | -
    Comment
    元気になりましたか?
    疲れが出たんだね。
    ゆっくり休んでね。

    コメントはしなかったけど、毎日のブログ楽しみに読んでいたよー!!
    本当にいづみちゃんはパリが似合うし、とっても好きなんだなぁ〜〜と感じられました。
    いっそのこと住んじゃえば?>笑

    アパートを借りてそこに短期間でも住むというのは旅とはまた違った街の様子がわかるんだなぁ、と。
    生活しながら街の空気、人、食べ物、景色を感じられるのは素敵なことですね。
    誰にでもできることじゃないけど、それをやってしまういづみちゃんはかっちょいいよー!
    今回のパリにはすごくたくさんの想いが詰まってるのでは?
    帰ってきたら楽しいおみやげ話聞かせてね。

    疲れを癒してバカンスも楽しんで来てね。
    • こと
    • 2015/08/29 6:10 PM
    >ことちゃん

    わー! ありがとう!
    ことちゃんに「毎日書いてみる!」って行ってこっちに来たこと、ずっとそれを考えながら書いていました。
    読んでくれててありがとね。うれしいよう。

    昨日、クラスでこちらの人と結婚した子とごはん食べてて、「パリに住みたいって思わないんですか?」って言われたけど
    「昔はよくそう思ったけど、いまは東京にいる大切なお友達の存在を考えると、東京を離れたいとは思わなくなったよー」って答えた。

    たまにこうして来るから、素敵だなと思えるってこともたくさんある気がします。
    こういう場所が世界の中にあってほんとによかったです。
    テニスの語源というのを先生から習ったので、帰ったら飲みながら話しましょう! ありがとー!!!!
    • いづみ
    • 2015/08/29 7:11 PM








       

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