「ピカール」っていう冷凍食品屋さんがあるんだけど、それ、イオンが言う高級食材じゃないと思う。

2015.08.08 Saturday 06:49
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    フランスの冷凍食品専門店、「picard」(ピカール)をイオンが日本に上陸させたそうですが(まだ行ってない)、ピカールといえば、パリ歩いててもどこかしらで遭遇するとっても不思議なお店です。

    最初前を通ったとき、ここは一体何なん? とぜんぜんわかりませんでした。お店? 倉庫? プール? お掃除会社?

    なんか、すごく殺風景な店内に腰高の冷凍庫(蓋は上に開く。日本の冷凍食品みたいに本屋の雑誌みたいに並べた展示じゃなくて、ほんと倉庫の冷凍庫にずらっと入ってる感じ)がただただ延々と並んでいるだけ。道に面した場所は小さく窓があるだけなので、一見難のお店か本当にわからないわけです。飾り気ないし。

    でも、それでもすぐピカールのお店ってわかってしまうほど、フランスでは冷凍食品はポピュラーってこと。

    ホテル滞在の旅行者ではレンチンもできないのでお世話になることもないのですが、アパート暮らしになったらこれほど便利なものはにゃい。ということで、今日はピカールで調達してランチ。

    いやね、最初は中華街に出向いて、一人で焼きそば&ビールでも行ってみるかねと思って、place de Italyで途中下車したのだけれど、ピカールが目に飛び込んできて、ついふらりと寄ってしまい、並んでるものにすっかり心奪われて、買って帰る事にしちゃった。
    買ったのはこれ。



    蒸し野菜の混ざったやつ。このままチンできる。1,4ユーロ。
    ちょいうまそうだと思ったミートグラタン。けっこうでかい400gもある。3.5ユーロ。
    奥にあるのがフォー。外で食べようと思ったけど、8ユーロしたのでこっちにすることにしたんだけど、これは結構高くて3.5ユーロした。異国料理系は少々お高め。

    アパートに戻って、野菜をまずチン。4分ぐらい。



    で、量はこんくらいある。日本人なら夫婦+幼児分がまかなえそうな量。



    ハム一枚さえあれば、一気につけ合わせで豪華な一皿になる。
    余計な味付けがないのがすげーありがたい。いろいろ使い回せそうだし。
    これ1、4ユーロなの。180円ぐらい?

    フォーとかグラタンとか、そのあたりはこんどallaboutにも書こうと思ってるので、またあとでねー。



    それでね、奥さん。
    私がとても不思議なのが、このピカールが日本に入ってきてるらしいんだけど、どうやらそれは「高級冷凍食品」というカテゴリーで展開しているみたいなのね。

    http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20150120/1062234/?ST=lifex

    見てよ、この記事。

    高級食材のカテゴリーで、並ぶのはフォアグラのステーキ2000円、モアローショコラ700円、タリアッテレ908円。

    モアローショコラは冷凍食品だけど、レンチンじゃなくてオーブンで焼き上げるものなんだけど、イオンの人はこう言ってる。

    ” 焼いている間にシャワーを浴びたりサラダを作ったりしていると、オーブンからおいしそうな香りが漂い始め、食事への期待感も高まってくる。今晩はちょっとオシャレにテーブルセッティングしようという気になるのがピカールなのだ。

    「オーブンを使ったことがないお客様は多いのですが、調理方法をご説明すると、ピカールでオーブン・デビューしてみようと逆に興味を持って購入していただいています」(イオンの冷凍食品事業プロジェクトのチーフを務める小野倫子さん)とのこと。”


    これを食べるためには、オーブンも買わなくちゃいけないらしい。
    そして

    ”フォアグラの付け合わせには甘いフルーツも合うので、薄く切った洋梨や皮と種をとったマスカットを添えるとおしゃれに仕上がる。ワインとバゲットを買って帰り、シンプルなグリーンサラダでも添えれば、30分で素敵なフレンチディナーが完成する。”


    らしい。




    なにこれ。
    なに、このアウェイ感。



    いや、この記事が悪いんじゃなくて、この記事にはちゃんとピカールがなぜフランスで支持されているかという理由が書かれている。それはこういうこと。

    ”フランスは女性(15〜64歳)の就業率67%、そして女性1人が持つ子供の平均は2.05人とアイルランドを除いて欧州1位の国だ。日本に比べると休暇や児童手当が充実し、保育園の数も多いなど、働きながら子育てする環境は日本より恵まれているが、2人以上も子供がいると朝晩の食事の準備は大変だ。そこで時間をかけず、安心安全でおいしい食事を子供に食べさせたいと思うとピカールは最適なのだ。”



    普通にこっちでピカールを覗いて歩いていれば、まっさきに目につくのは豊富な素材たちだ。

    私が買ってきた蒸し野菜なんかも、そう。それが安く手に入る。
    素材についても、Bioのカテゴリーも揃っていて、こだわる人も安心して買うことができる。で、Bioでもそんなに高くない。



    あ、また横になっちゃった。なんで?

    まあ、とにかくフランスの家庭料理で必ず付け合わせについてくるような、ポテトや輪切りの人参(ボイルしてある)、大袋に入った玉ねぎスライスの冷凍、数種のマメをミックスしたもの、数種の根菜のミックス、サシェ(袋)に小分けにされて、そのままレンチンすれば一人分の蒸し野菜になるミックスなど、もう、これあったら便利でええわー! っていうものがどっさりとある。

    で、上見てもらうとわかるけど、Bioでも大袋で2ユーロとか3ユーロ代で、気軽に買える。
    野菜は下ごしらえも保存も面倒だから、こういうの、ほんとに助かるでしょ。切ってあるし。ゴミでないし。残っても腐らないし。
    で、冷凍のほうが保存料とか必要ないので、加工食品よりずっと安心なのだもの。


    そして、その次に並ぶのがこんな気軽な冷凍食品。



    タリアッテレ2ユーロですけど。
    ま、もっと高いのもあるけど。
    で、これが意外といける。

    そして、最後に並ぶのが、いわゆる「フランス風」の完成した料理の冷凍。たぶん、フォアグラのソテーなんかはここに並んでいる。ほか、舌平目や白身魚がクリームやトマトソースでいろんなバリエーションで調理されたものにはじまり、もう、レストランに来たのかー? ってぐらい多様なメニューが並んでる。
    このあたりが、7ユーロとか8ユーロっていう価格がつき出す。

    でもね、別にピカールに限らず、フランスのスーパーにはかなりおいしい冷凍食品が並んでいることが多い。高くても、5ユーロぐらいでそんなもんが買えてしまう。
    日本の冷凍食品との大きな違いは、

    それで完璧に一皿になること。

    たとえば白身魚のエストラゴンクリームソース、なんていうメニューがチンしたらそのままお皿に出せて、2人分で3.65ユーロなんてことになる。
    帰宅してすぐ、これチンして皿にだし、前に書いたサラダミックスでもボウルに放り込んでバゲット出せば、とりあえずは何かにありつける。たぶん、コンビニ弁当より健康的。



    そういう立ち位置で愛されているわけで、イオンさんが言ってる

    ”フォアグラの付け合わせには甘いフルーツも合うので、薄く切った洋梨や皮と種をとったマスカットを添えるとおしゃれに仕上がる。”


    って、もうあまりに非現実的すぎてどう考えていいのかわからない。
    あ、それもありなんだけど。
    パーティとか来客で、そういう使い方をしたらとっても素敵なわけで、そうも使われている(と、こっちの人は言ってる)んだけど、でも何かが大きく違っちゃっている気がしてならない。


    日本の冷凍食品も優秀だけれど、それだけで家族3人分の食事が安い価格で完成する、というようなものが少ない気がするー。
    お弁当用だったり、一人暮らし用だったり。
    あとはしゅうまいとか唐揚げとか。
    単体では成立しないものが多くて、素材の冷凍に関しても単体が多いから、チンしても何か調理はしなくちゃならない。

    フランスでピカールが愛されているのは、安くて簡単で安全に、忙しくてもとりあえずはかっこがつくってあたりで、別にグルメの国から高級冷凍食品が上陸! ってことじゃないと思うんだがなあ。


    ま、好きな人はイオンで2000円出してフォアグラのステーキ買えばいいと思うけど。

    イオンのもくろみは

    ピカールは日本の冷凍食品にはなかった『食卓を楽しむ』という切り口で新しい市場を作り出すきっかけとなるのではないでしょうか。”



    ということらしくて、小金持の熟年層狙いっぽい。どう考えても年収の低い子育て世代が、1000円近くするタリアッテレを買って食べると思えないし。


    食のマーケティングや開発って、どこを見据えてやっていくのかって大切な気がする。
    前の日記を書いたとき、それでも日本食が健康的だし、日本食を食べたいから手間がかかっても調理するって人もいっぱいいるよねー、って思ったけど、ちょっと工夫した素材の売り方をしてもらえたら、手間がかからず日本食も安くおいしく安全に食べることができると思うんだよね。

    節約、おいしい、安全

    というものが、調理する人間の度量と比例するというような考え方が見え隠れするようなことがたまにあって、でもそれは素材の提供のされ方でちょっとは楽によい方向に向くんじゃないか、なんてことを考えたピカールごはんの日でした。

    輸入だから多少高くなるのは仕方ないけど、本来の目的や愛され方から乖離した売られ方じゃないのがいいなー。小金持さんがワインとバゲットなんか並べてプチ贅沢したいがためのものじゃなくって、短時間調理でも子どもに安全なものを食べさせる、っていう思いも、ピカールが愛されている理由だと思うのね。
    たまたまそれがフランス料理(といってもレストランに並ぶようなものじゃなくて、もっと家庭的なもの)だったから、高級食材に見えるのかもしれないけど、同じことが日本食でだってできる気がするの。
    日本のメーカーさんも、こういう感じに作ったら愛されるような気がするよー。

    あ、パッケージがおしゃれってのも大事っぽい。

    あ、私のアメリカの友達はね、アメリカ人のパパがお味噌汁をまとめて作って冷蔵庫に入れているんだって。で、朝はそれをチンするんだって。
    日本人からしたら、「ミソの香りが」とか「それじゃアカン!」とかいろいろ言いたい人もいるだろうけど、でもミソスープは体にいいから! ってパパの思いは、それでも十分通じてる気がするんだよね。

    そんなこと聞いたら、なんかみそ汁だって冷凍キューブがあってもいいような気がしてきた>笑
    煮魚が付け合わせの野菜まで一緒に冷凍になってたらいいなー。セブンのレトルトなんかじゃなくって。
    いろいろ欲しいものあるなー、日本でも。

    またいろいろ買って食べるよー。
    ピカール楽しいよー。
     

    category:Paris ひとり暮らし | by:武蔵野婦人comments(4) | - | -
    Comment
    はじめまして。
    ピカールの店舗が青山に一号店を出店した記事から興味を持ちこちらにお邪魔しました。
    フランスではもっと、日々の食卓に密着したとても現実的な立ち位置なんですね。
    冷凍のお野菜、スナップインゲン?が新鮮そうで美味しそうですね〜

    ブログ楽しみにしています。
    • さおり
    • 2016/11/26 6:54 PM
    >さおりさん
    コメントありがとうございます!
    ピカール上陸しましたねー。でも、報道内容見ても、この時に書いたような違和感がいっぱいで、敢えて足を運ぼうと思えないところがあります。ほんと、もっと普通に身近で、高くないんです。私はここの素材冷凍でほんと日々の食事助けられました。あ、あとデザートもおいしいです。フランス人は日々、デザートマストなので、そういう意味でもほんと使えるお店でした。日本に入ってきてるのは、全部高すぎてなんか非現実的な気がします。
    • 武蔵野婦人
    • 2016/11/29 1:35 AM
    結構過去の記事に今更コメントしちゃいます。
    日本にピカールを持ってくるときに、やっぱり元々日本にある食品会社からの抵抗があるんだと思います。安い価格でそんなものを持ってこられたら商売になりませんし。
    なのでターゲットを変えざるを得なかったのかなー。とピカールのニュースを見ながら思ってました。
    日本は食に厳しいし全然安全でもないよなあ…と、子育てしながら食事にこだわってると本当に途方に暮れます。
    • まゆ
    • 2017/04/30 11:08 PM
    >まゆさん
    以前の記事を見ていただいて、ありがとうございます! そうそう、マーケティング的にこうするしかなかったんだろうなあ、と思うのですが、ちょっと残念です。
    ほんと、日本は全然安全じゃないし、日本食はすばらしいと散々言われていますが、何を持って「日本食」なのかというあたりは、曖昧だなあと思っています。「家庭食」を取り巻く環境ははかなり危うい状態なのに、結局「いまどきの母親が、主婦が」手を抜いているという認識をしたがる中央の人たちも、ほんと違うのになあって思います! 途方にくれるという感覚、よくわかります!
    • 武蔵野夫人
    • 2017/05/01 1:00 PM








       

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