脳内地図とポップアップ現象ー50代からの英語4

2013.07.23 Tuesday 21:59
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     以前、脳科学の先生に「天才型の人は、物を教えるのが苦手」と教わりました。素質があって生来の能力が備わっていると、「できない」というジレンマを克服するプロセスがあまりないので、それをなかなか論理的に説明できないのだそうです。
    子供時代から普通に片づけができた人は、なぜできないの? こんな簡単なことが。。。。となり、片付ける道筋を論理的に解析できないから、教えられないということらしい。

    逆に、すごーく苦労して片付けれるようになった、というタイプの人は、道筋がわかるので、人に伝えることができるんだよ、と。ももせさんはそっちのタイプの人でしょ? と笑顔で言われた。笑

    ほんとにそうだよ。大学時代まで、私の部屋は魑魅魍魎の世界だった。ひどかった。
    実家に住んでる限り、たぶんずっとそうだったと思う。それが変わったのはやはり環境が変わったから。スパルタ式のデザイン事務所で鍛えられたところはすごく大きい。
    そして今でもすごく片付けられるわけではない。だから、片付けられない人の気持ちが痛いほどよくわかったりする。片付けられなくて何が悪いの、いいじゃないのとも思ってる。

    「できないんだよお」というところから必死でもがいて抜けていくプロセスというのは、論理的に見ていくとかなりおもろいのだと思います。

    人というのは本当に勝手なもので、抜けてしまうとそれは当たり前のことになり、「だいじょうぶだいじょうぶ、簡単だから」と言うようになる。

    なんか言語習得もこのあたりとちょい似ているのかなあ、と思ったりしています。

    もとから言語能力に優れた人の「こうすればいいよ」というのは、レベルが高すぎてピンとこなかったりする。それができないから苦労してるんだよ! とか思ったり>笑
    で、乗り越えてきた人たちは、「まあ、気長にやるしかないよ。大丈夫だから」となる。

    その前で、「だって、わかんないんだよう。しくしく」と悶える。
    ワーキングマザー初心者のときは、あんなに苦労したのに、今となっては「だいじょうぶだって」と思っていたりするのに似ている>ごめん

    なぜこんなことを書いているのかというと、ワーキングマザー初心者でわかんねえよう、、、と悶えたときに書き続けたことが結果的に大きく今の自分を助けているので、こっちに来て日々悶えたことはちゃんと書き留めておくかね、と。
    まあ、そんな言い訳みたいなものです。笑

    できてしまっている人にはあまり意味がなく、ちょっと滑稽にも見えるかもしれないけど、とりあえず備忘録ということで。


    さて、今朝ベッドから起き抜けに、突然頭に中に

    in case of

    という英語がポップアップしました。
    はて、なんじゃろう、これは。

    行動に関係しているわけではない。授業や勉強で覚えたわけでも、単語集や本にあったわけでもない。どこからやってきたのかわからないけれど、突然思い浮かぶ。不思議。
    この

    ポップアップ

    というところに、英語圏で英語を憶えるということの、なんかおもろい秘密があるのでは。。。。と考えていて、すごく腑に落ちたことがあるので書いてみます。



    新しい言語を憶えるというのは、ちょい、スーパーでの買い物に似ているのでは、と思うわけです。

    たとえば、知らない街の行ったことのないスーパーに行くと、卵はどこにあるんじゃろう? 豆腐は? え、洗剤は2階なの? いったいどこよ????
    ということになり、買い物がえらく面倒になりませんかの。

    そう考えると、行き慣れたスーパーは、何度も足を運んで店内をくまなく歩きまわっているうちに、買ったことがないものでも、あのあたりの棚のこのへんにある、、、、という脳内地図や脳内映像がぱっと頭のなかに思い浮かぶ。

    話すということは、瞬時に頭の中で「卵ートマトービール」の場所を脳内地図からピックアップしてつなぎあわせるということに似ていて、非常に三次元的なものなのではないか、と思ったりする。


    この脳内地図や映像ができるようになるまでには、やはり何度もスーパーに足を運び、「ああ、アメリカではパンはこう売ってるのね。半分は冷凍かなあ。わさびはあるの? ないか。。。この缶詰は一体何? もうわけわかんない冷凍食品だらけだけど、ナニコレ」なんてことを考えながら歩きまわる体験が必要なわけです。つまり

    自分と関連付けしながら選択すること

    と同時に

    能動的に選択はしないけれど、大量に存在する一見無駄な情報の中を繰り返し通る

    という体験をスーパーの買物で同時にしていることになる。

    なんとなく今私は、この作業をしているように思えてならないわけです。
    特に後者のあたりが、英語圏に住んで英語を習うことの醍醐味かなあ、と。海外では並ぶ商品も名前も料理法も違うから、時間もかかるし路頭に迷うけれど、ただテキストや教材を手に能動的に「勉強する」だけでは、この「歩き回っているうちにできる脳内地図」がなかなか形成されないのも確かなのだと思います。


    さて、そんな脳内地図ですが、私は料理をするので、スーパーに何が売られているのか、それがだいたいどんなカテゴリーなのかということがわかります。
    これはつまり、

    学校で単語と文法をある程度勉強した

    ってあたりとつながる気がする。
    これは卵でオムレツや目玉焼きになるとか、缶詰は野菜売り場には売っていないなんてことはとりあえずはわかっているわけです。

    サイレントピリオドの項で書いた「ずっと無言だったのに突然話始める」という経験談は、たいてい子どもなんだけれど、彼らは文法や文字を習っていないので、おそらく巨大なスーパーで、名前もカテゴリーも使い方もわからない大量の物の中に放り込まれる、という経験をしているんじゃないだろうか。

    大人は「オムレツ作るから卵がいる」なんてところから始めるから「卵はどこですか?」なんてことは聞けるけど、子どもは「オムレツ」という概念もないところからだから、無言になる。
    でもその分、無意識化での脳内地図の形成をコツコツとしているので、ある日突然3次元の全体像が見えて、瞬時にピックアップして文章を形成しはじめる。

    大人は「オムレツの作り方」なんていう例文をたくさん憶えるんだけど、全体の脳内地図がないから、とっさにピックアップができない。そんな感じ。


    その意味では、歩きまわって歩きまわって、見て聞いて経験がストックされて、スーパーに並んでる食材がとっさに三次元的に脳内映像みたいなものになるための、時間と経験が必要なんだろうなあ、と思うわけです。



    で、私に話を戻すと、ここのところの大きなジレンマは

    「すみません、海苔はどこに売っていますか。寿司を作りたいんです。まぐろはどこですか。酢はどこですか。寿司なんて簡単につくれるはずじゃん、普通は」

    と、新しいでっかいスーパーをうろうろと徘徊し、店員さんに聞くも要領を得ず、もうさ、誰かなんとかしてよ!!! ごはん作れないよ! 

    と苛ついている、、、、という状況にたいへんよく似ている、と>笑
    寿司食べたい、普通に食べたい、さっさと作りたい。早く作りたいんだから、誰か教えてくれるべきだよね。いや、どっかに案内地図やガイド本はないの? なぜないの???
    そんな思考回路に陥っている。



    いや、できないです。
    無理だよ、脳内地図がないんだから。

    そしてその脳内地図を作るためには、やはりかなりの量の時間と経験が必要

    ということがやっとわかりはじめる。


    大事なのは、料理を憶えなくちゃと焦る前に、何を作るのか何を買うのかようわからんがとにかく繰り返し

    スーパーを何度も何度も歩きまわること(とにかく英語の中を泳ぎまわる)

    自分に関連付けて商品を見て触ること(がんがんネイテイブと直接話す)


    なのだなあ、おそらく。

    ただし、やはり「商品の名前と用途を憶える(単語)」ことと「料理方法を憶える(文法)」ことも同時にしなければ、脳内地図が広がらず、組み合わせもできない。
    どっちが欠けても、ダメってことなんじゃと思います。このあたりはもう、聞き飽きるほど言い尽くされていて、どっかで耳にしたことはあるんだけど、「だからなに」ぐらいにしか思ってなかった。わかってるよ! みたいな。

    ほでも、今朝とっさに感じた「脳内地図」(実際にスーパーの映像がありありと思い浮かんだ>笑)の三次元的な感覚を体験すると、ああ、話せ話せ、とにかく街にでろと言われ続けていたのは、その体験の繰り返しがこの脳内地図をゆっくりと作っていくからなのだな、とすごく実感しました。

    今、私の頭の中は、論理的に整理されていない映像とか音になった言語というものがごちゃまぜになって蓄積されつつあり、それが今朝のような不思議なポップアップ現象を引き起こすのではないか。


    そんなことを思う今日。



    この

    ポップアップ

    みたいなことが起こりはじめると、論理的に作文しなくても勝手に口からなんか思い浮かんだ言葉が出るようになってくるのだと思います。いまそんな感じ。
    すごいじゃん、それは進化だよねと思うかもしれませんが、今のプロセスは「間違った言葉(しかもすっごく原始的な中学生レベルのもの)がポップアップしてくて口をついて出る」という状態。

    昨日はアインシュタインベーグルでスムージーを注文したところ、一部品切れのものがあり。わかった、じゃあこのストロベリーのでいいやと伝えたところ

    「2つ?」 と聞かれました。
    いや、ひとつだよ。一人だし。
    なんでじゃろうと思ったら、とっさに口をついて

    「We take it」

    と言ってたのであった。WEだから2つだと思われたんだろうが、なぜ自分がWEと言ったのか意味不明。


    私はフランスに長期滞在したことはないので、私のフランス語は例文を覚えたり、単語を覚えたりひたすら繰り返して練習する、という作業の先にで構成されたものです。なので、話す時はかなり意識的に言葉を構築していて、こういうポップアップの体験がありません。

    おそらく今は、実際に住んで歩きまわって、勉強するかたわらで、無意識化で日常に大量に流れこんできている英語が、頭の中で静かに、少しづつ蓄積しているんじゃなかろうかと思います(50代なので蓄積速度ははなはだしく遅い)。これがむやみやたらな感じでポップアップをはじめ、間違っても使い続けていると、そのうち体系化してくるのではないか、と。
    いや、ほんと希望的憶測だけど。


    ここまでで2ヶ月。
    まだまだぜんぜん話せないし聞き取れないわけですが、なんとなく、ああ、こうして脳内地図を構築することって、言語習得ですごく大切なんだろうなあ、と思い始めました。
    スーパーになぞってみたら腑に落ちたというあたりが、ほんま主婦っぽくてすまん。


    でもおそらく、地元のこぶりなスーパーの脳内地図の次には、どでかいCostcoみたいなスーパーがあって、ああ、やっとここでなんとかいろいろわかるようになったなあ、えらかったなあ、なんて思っていると

    その次には10階建てのデパートがあり、突然時計売り場やメガネ売り場が出没して路頭に迷い、さらに次は高層ビルの上のほうに医療専門の階や経済専門の階があり。
    一つをクリアすると果てしなく次の売り場が出没するため、英語十分できるじゃん! と思っているような人でも、ずっとずっと英語を勉強しているんだろうなあ、などと思う今日。


    とりあえずOKストアレベルでいいので、脳内地図ができるといいなあと思います。

    また書きます。




    category:アメリカ留学 | by:武蔵野婦人comments(2) | - | -
    Comment
    また古いエントリーにコメントすみません。
    このブログ、端から端まで全部読む!と決めて、それが夜娘を寝かしつけた後のライフワークになっている今日この頃です。

    このスーパー式言語習得理論(?)、一歳の娘の発達を見ていると確かに間違いない!!と思えて、面白いなー!と思いました。
    今娘はまさしくスーパーをうろついてる最中で、『あらもう卵の場所覚えたの?』みたいなことが日々増えていて、本当に子どもの成長というのは目を見張る速度だなぁと感心しています。

    わたしも日本の英語教育の犠牲(?) になった人間なので、娘には6ヶ月からバイリンガル育児をしていますが、果たして結果はどうなることやら…
    • まゆ
    • 2017/05/08 1:51 AM
    >まゆさん わー! これはまた以前の記事にー。コメントありがとうございます。また、過去記事も読んでくださっているとのこと、光栄です。
    私はこの後、フランスでもスーパーをうろつくという経験をして、こちらでは多少頭の中で料理が作れるようになりました。どうやら、アメリカよりフランスの方が好きみたいです>笑 うろつく場合は、「好き」とか「楽しい」というのもすごく大切なことのようです。子供の成長はすごい! ので、ぜひぜひバイリンガル教育頑張ってくださいねー。
    • 武蔵野夫人
    • 2017/05/08 10:21 PM








       

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